僕の生徒さんの中に
U2やバンプとかが大好きな
20歳の男の子がいます。

自分の好きなアーチストの歌を歌いたい!
自分の好きなアーチストの歌い方を真似たい!

それらは
非常に自然な想いで

歌っている時の
ご本人はとても
楽しいことと思います。

 

ただし、

その姿を観ている相手は
その歌声を聴いている相手は

その「歌」を

 

「上手だな〜」とは
楽しんでいないことが多いようです。

 

ただし
その歌声が

「ものまね」という観点から

とてもそのアーチスト本人に
と〜て〜も〜
似ていたら、
それはそれでたのしいw

 

でもそれは、ただの
「ものまね歌合戦」

カラオケならそれでいいかもしれませんね。

 

でも本格的に歌をうまくしたい、
と思っているなら
アプローチが違うのかも。

 

「ものまねっぽく、さらに力んで歌われると」

その本人の
「音楽性」や「歌声」に感動する
というのとはちょっと違う観点ですよね。

 

その彼はプロを目指しています。

当然彼はオリジナル曲を歌っていくことでしょう。

そんなとき、一呼吸。

 

聴いている人は
まずは
その彼の歌声に惹かれないと

彼の歌っている曲の良さなんて
残念ながら心に届いてこないわけです。

 

だって、最高にいいバラードを
ドラえもんの声みたいな声で歌われても、、、、
ってことです。

その彼は
自分の好きなアーチスト

U2やバンプのシンガーたち
の歌い方を真似して一年やってきました。

 

「歌い方を真似する」とは、、、

昨今はYOU TUBE とかで
ミュージックビデオが簡単に見れる。

彼はそうやって
U2やバンプの歌い方を
真似しながら練習してきたんです。

 

その練習方法はとても
「達成感」と「完全燃焼感」があるんですね。

 

これがネック。

練習ってそんなに派手な作業?
もっと地道な作業の積み重ねなんじゃ?

そういったミュージックビデオの中での歌い方って、
ほんとうの歌い方?
ほんとうに歌っている?

そう、多くの場合が
「口パク」

なわけです。

彼らプロのアーチストは
まずは曲のレコーディングをする。

そのときは、それはもう
「真剣白刃で」
「心を研ぎ澄まし」
「微動だにせず」
「針の穴に糸を通すがことく」

 

の集中モードでレコーディングするわけです。

 

そうやって、
その20歳の僕の生徒が感動しているU2やバンプの曲は
レコーディングされているわけですね。

どのアーチストも一緒でしょう。

そしてここが大変重要。
ミュージックビデオでの歌い方は
口パク。
ということは
演技なわけですから、見た目が大事。

 

かっこよく振る舞うが如く
大げさな振る舞いで歌う姿を
演じているわけですね。

その姿はレコーディングのときの姿とは違う

まずはそれを知って欲しいわけです。

でもその20歳の彼は
頭ではそれをわかっていても
なかなかそれを実践できませんでした。
夏休みあけて、2ヶ月ぶりのレッスン。

びっくりしました。

 

彼の歌い方が
とても艶やかにかっこよくなっている。

「なにがあったの?」と彼に聞いてみたら

 

「60%ボイスを実験的に用いているんです」
と言っていたのです。

すなわち、

自分の好きなアーチストの歌い方を
そのまま100%のパワーで真似しながら
歌うのではなく
意識して
工夫して

「60%のパワーで、声量で歌ってみた」
ということ。

 

歌っている本人は
それはそれは「不完全燃焼」感でいっぱいでしょう

 

でも聴いている相手、観ている相手は
そうやってりきまないで、自然体で歌っている歌声に感動しています。

 

「りきみを取る」っていうのは簡単なことでは
ないんでしょうね。

 

でも「りきみを取る」ことによって得られることは多いんです。